ドローンは売れる?機体登録・リモートIDの手続きと買取 Posted on 2026年10月25日 By tropiooo 「登録したドローンって、そのまま売ってしまっていいの?」。 ここ数年、撮影仲間からこの質問を受けることが増えました。 こんにちは、「カメラとレンズの防湿庫だより」管理人の光森です。私自身はドローンを持っていませんが、鉄道撮影で知り合った仲間が機体を手放すとき、国土交通省の資料を一緒に読み込んだことがあります。カメラやレンズなら箱に詰めて送れば済むのに、ドローンはそうはいきません。国に登録した機体なので、手放す前に売り手が済ませる手続きがあるのです。 中古のドローンは売れますし、欲しがる人もいます。ただ、登録の後始末を忘れると、買い手はその機体を飛ばせないまま困ることになります。 この記事では、機体登録とリモートIDの基本を2026年10月時点の制度で確認したうえで、売る・譲るときの「抹消」と「移転」の手続き、手放す前の準備、査定で見られるところを順に整理します。 目次1 ドローンは売れる。ただし登録は「持ち主」の情報2 売るときの手続きは「抹消」か「移転」の2つ3 手放す前の準備。連携・データ・バッテリー4 査定で見られるところ5 まとめ ドローンは売れる。ただし登録は「持ち主」の情報 最初に、制度の骨格を押さえておきます。登録は機体に付いた免許のようなものではなく、「この機体の持ち主は誰か」を国が把握するための仕組みです。持ち主が変われば、登録も書き換えるか、いったん消すことになります。 100g以上は登録が義務。有効期間は3年 国土交通省の無人航空機登録ポータルサイトによると、2022年6月20日から無人航空機の登録が義務になり、登録していない機体は飛ばせなくなりました。対象は屋外を飛ぶ100g以上のドローンとラジコン機で、この重さは機体本体とバッテリーを合わせた数字です。屋内だけで飛ばす機体は対象になりません。 見落としやすいのが「249g未満」をうたう小型機です。DJI Mini 4 Proのユーザーマニュアルにも離陸重量249g未満とありますが、日本の基準は100gなので、この機種も登録が要ります。 項目内容対象屋外を飛ぶ100g以上の機体(本体+バッテリー)義務化2022年6月20日有効期間3年(更新できる)登録記号「JU」で始まる12桁を胴体に表示リモートID原則として搭載が必要手数料新規登録と更新のときに1台900〜2,400円 登録記号の表示にも細かい決まりがあります。航空局の無人航空機登録要領では、工具を使わずに外せない胴体の部分に、25kg未満の機体なら高さ3mm以上の文字で表示することになっていて、バッテリーの蓋に貼るのは認められていません。 リモートIDの免除は「事前登録」の機体だけ 登録記号を貼るだけでは足りず、機体の識別情報を電波で発信する「リモートID」も原則として搭載しなければなりません。機体に組み込まれた内蔵型と、後から取り付ける外付型があり、内蔵していない古い機種には外付けの機器が必要です。 搭載が免除されるのは、事前登録の期間(2021年12月20日〜2022年6月19日)に申請して登録された機体などに限られます。ポータルサイトには、その事前登録の機体でも、登録を更新しなかった場合は搭載義務の対象になると明記されています。この一文が、売るときに効いてきます。 売るときの手続きは「抹消」か「移転」の2つ ドローン登録システムのよくある質問には、売却する場合は「登録を抹消した上で売却いただくか、売却後に新たな所有者とともに所有者の移転手続をとっていただく」と書かれています。道は2つで、どちらも手続きの起点は売り手です。所有者が変わったら、その日から15日以内に届け出る決まりもあります。 オンラインの場合、どちらの手続きも国土交通省のドローン情報基盤システム(DIPS 2.0)にログインして進めます。画面の流れはドローン登録システムの操作マニュアルに、手続きごとのPDFでまとまっています。 抹消してから手放す 抹消は、メインメニューの「登録機体の削除」から機体を選び、抹消の理由を入力して申請します。そのあと所有者のメールアドレスに確認のメールが届くので、記載のURLを開いて「到達確認」を済ませるところまでが手続きです。マニュアルが必要なものとして挙げているのは、DIPSのアカウントと抹消の理由だけです。 抹消した機体を買い手が飛ばすには、新規登録が必要になります。手数料は本人確認の方法で変わり、オンラインでマイナンバーカードを使えば900円、紙の申請なら2,400円で、登録記号も新しいものが発行されます。 抹消する時期には気をつけてください。抹消した時点で登録のない機体になるので、売り手自身も屋外では飛ばせなくなります。買い手に見せる動作確認の動画を撮るなら、抹消の前に済ませておきましょう。 所有者を移転する 移転は、登録を生かしたまま持ち主の名義だけを買い手に移す手続きです。売り手は「その他の手続き」から「所有機体の譲渡」を開き、機体を1台選んで、買い手のログインID・氏名・メールアドレスを入力して移転を申請します。すると売り手のメールに「譲渡用パスワード」が届くので、それを買い手に伝えます。 買い手は自分のDIPSアカウントで「機体の受取り」を開き、パスワードを入れて本人確認をしたうえで、所有者と使用者の情報を入力して受取りを申請します。本人確認は、マイナンバーカード、運転免許証、パスポート、書類の郵送から選べます。マニュアルには、譲渡された機体の受け取りに手数料はかからないと書かれています。 比べる点抹消してから手放す所有者を移転する売り手の操作登録機体の削除所有機体の譲渡買い手の操作新規登録機体の受取り買い手の手数料900〜2,400円かからない登録記号新しく発行される今の登録を引き継ぐ向いている相手お店、顔の見えない相手連絡を取り合える知人 移転には買い手のログインIDが必要なので、相手がDIPSのアカウントを持っていることが前提になります。フリマアプリのように相手の顔が見えない取引では、ログインIDや氏名をやり取りするだけでも手間なので、抹消してから出品するほうが話は早く進みます。お店に売るなら、抹消して持ち込むのか、移転で受け付けてもらえるのかを、申し込む前に確認してください。 古い機体は、抹消するとリモートIDの免除が外れる ここで先ほどの免除の話がつながります。FAQによれば、一度抹消した機体を登録し直すと新しい登録記号が発行され、中古で買った人は新規に登録する扱いです。免除の条件は「2022年6月19日までに申請して登録された機体」なので、事前登録の機体を抹消して売ると、買い手の新しい登録はこの条件に当てはまりません。リモートIDを内蔵していない機種なら、買い手が外付けの機器を用意することになります。 移転のときに免除がどう扱われるかは、FAQには書かれていませんでした。古い機体を知人に譲るなら、ポータルサイトに載っている無人航空機ヘルプデスクに確かめてから進めるのが確実です。 3年眠らせた機体は、登録が切れているかもしれない 冒頭の仲間の話です。彼は義務化の直前、事前登録の期間に機体を登録し、風景の空撮に何度か持ち出したあとはケースに入れたままにしていました。2025年の夏、手放そうとしてDIPS 2.0にログインしたところ、登録の有効期限はその年の6月で切れていました。 FAQにあるとおり、有効期限が切れた登録は抹消され、登録し直すと登録記号も変わります。彼の機体はリモートIDを内蔵していない世代だったので、買い手に外付けの機器が要ると説明するところから話をやり直すことになりました。機材は使ってこそ資産、眠らせたら負債と私はよく書きますが、ドローンは眠らせているうちに登録まで消えてしまうわけです。 ポータルサイトによると、2025年4月からは有効期限が近い機体の所有者にお知らせメールが送られていますが、登録したときのメールアドレスを今は使っていなければ、そのメールは目に入りません。しばらく飛ばしていない機体ほど、売ると決める前にログインして期限を確かめておく価値があります。 手放す前の準備。連携・データ・バッテリー 手続きと並んで手を抜けないのが、機体そのものの準備です。カメラと違って、ドローンはスマホのアプリやメーカーのアカウントと深く結びついています。 アカウント連携を外し、データを消す たとえばDJI Mini 4 Proは、初めて使う前にアプリ「DJI Fly」で機体をアクティベーションし、そのあと送信機と自動で紐づけされる仕組みです。メーカーのアカウントに機体が結びついたままだと、買い手が自分のアカウントで使えないことがあるので、売る前にアプリのアカウント設定から機体を外しておきます。外せるのは基本的に結びついているアカウントの持ち主で、画面は機種とアプリの版で違うため、手順はメーカーのサポート情報で確認してください。 データが残る場所は、microSDカードだけとは限りません。DJI Mini 4 Proのマニュアルを読むと、機体本体にも内部ストレージがあり、組み合わせる送信機のDJI RC 2にも32GBの内部ストレージがあります。必要な写真や動画をパソコンに移したら、カードと内部ストレージの中身を消し、アプリから工場出荷時の設定に戻します。初期化とアカウント連携の解除は別の操作なので、両方済ませてください。 外付けのリモートID機器を付けている場合は、FAQの案内どおり、DIPS APPで機器に書き込んだ情報を削除し、機体のリモートIDの登録も消してから渡します。 抹消してから売るなら、胴体にシールで表示した登録記号もはがしておきます。買い手は新しい登録記号を表示することになるので、古い記号が残っていると紛らわしいからです。 バッテリーと付属品をそろえる ドローンのバッテリーは消耗品なので、査定でも状態が見られます。DJI Mini 4 Proのマニュアルでは、3日使わないと残量96%、9日で60%まで自動で放電し、長く置くとスリープモードに入って充電するまで目を覚ましません。定格は200充電サイクルで、保管は気温15〜25℃、湿度40%程度が勧められています。防湿庫の記事で目標にした40〜50%と、ほぼ同じ数字です。 売る前に一度充電して、膨らみがないかを見てください。付属品は、次のものがそろっているかを確かめます。 機体と紐づいた送信機 予備のバッテリーと充電ハブ 充電器とケーブル類 予備のプロペラ 元箱と説明書、収納ケース 査定で見られるところ 査定の見方はお店によって違いますが、一般に見られるのは次のような点です。アームの折りたたみ部分にガタがないか、ジンバルとカメラが正常に動くか、墜落や修理の跡がないか。バッテリーの本数と状態、送信機の有無も評価に関わります。 修理歴は隠さずに伝えてください。FAQによれば、メーカーの修理で製造番号が変わった場合は、一度登録を抹消して登録し直す必要があります。交換修理を受けたことがある機体なら、DIPS 2.0に載っている製造番号と手元の機体の番号が合っているかを売る前に見ておくと、手続きでつまずきません。 カメラと違うのは、登録とアカウント連携の状態まで確認されることです。抹消や連携解除が済んでいない機体は、受け付けてもらえない場合があります。レンズのカビや汚れの見られ方はカメラの買取査定の記事にまとめましたが、ジンバルの先のカメラも同じ目で見られると考えておいてください。 買取の価格は、時期と機体の状態で大きく変わります。新しい世代が出れば前の世代の値段は動くので、もう飛ばさないと決めたなら、状態が良いうちに手放すほうが目減りは小さく済みます。 まとめ ドローンを売るときの手続きと準備を整理しました。 屋外を飛ぶ100g以上の機体は登録が義務で、有効期間は3年 売るときは「抹消してから手放す」か「買い手と所有者の移転をする」かの2つ 抹消はアカウントと理由があれば申請でき、移転の受け取りに手数料はかからない 事前登録の機体は、抹消や期限切れでリモートIDの免除が外れる アカウント連携の解除、データの消去、バッテリーと付属品の確認を済ませてから渡す まずは防湿庫の扉を開けて、ドローンのケースを取り出してみてください。そしてDIPS 2.0にログインし、登録の有効期限がいつなのかを確かめる。それが、眠っている機体を次の持ち主へ渡す最初の一歩です。 買取・査定のコツ
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