AAゲノムの野生イネにおける光合成および乾物生産特性の窒素反応

イネ属の中でAAゲノムのグループは栽培イネ (アジアイネ、アフリカイネ) のほか、6種の近縁な野生イネを含んでいます。野生イネの中には、栽培イネが栽培化の過程で失った有用な形質をもつ系統が存在するため、これらは今後の品種改良に向けた育種材料として重要になるものと考えられます。当部門では、野生イネが通常施肥投入のない状態で自生している点に着目して研究を進め、同グループの中で窒素施肥を低減させたときの光合成・乾物生産能力が栽培イネを上回る野生イネ系統を見出しました。現在、この野生イネがもつ生理的な特性について光合成や窒素吸収の面から検討するとともに、QTL解析により低窒素栽培において有用な野生イネ遺伝子の染色体上の位置を調査しています。