自家和合性をもつ四倍体ロコトトウガラシ優良品種の育成

ロコトトウガラシ(Capsicum pubescens)は南米アンデス地方で栽培されているトウガラシの一種で,完熟果実は鮮やかな赤色,オレンジ色または黄色,果形はピーマンに似ており辛味は強いが果肉の水分含量が多く,我が国でも新鮮果実での利用が期待できる新規な辛味トウガラシである.現在,世界各地で栽培されているトウガラシ類のほとんどは自家和合性だが,ロコトは例外的に強い自家不和合性を示す.しかし,染色体を倍加した四倍体は自家不和合性が打破されて自家和合性を獲得することが明らかとなった.本研究では,ロコトの四倍体を多数育成して,高収量で優れた果実形質と生態的特性をもつ実用栽培に適した自家和合性の四倍体ロコト品種の育成を目的としている.

四倍体ロコトの赤色果実

四倍体ロコトの黄色果実